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月山富田城のお殿様 塩冶掃部介にまつわる話2

つづき。


宗右衛門が西へ旅立ってから月日が流れ、

約束の菊の節句の日となりました。


左門はいつもより早起きして

兄、宗右衛門を迎える宴の準備をしました。


それを見ていた年老いた母が話します。

「出雲国ははるか西。決めた日に戻ってくるとは限りませんよ。

 兄が帰って来てから用意をしてもよいのではないですか?」


「兄上は立派な武士です。約束を破るような方ではありません。

 約束の日にあわてて支度する私を見たなら

 兄上は何と思うでしょう。」


左門はこう言って

貧しいながら精一杯の酒や料理を用意しました。


しかし、待てども待てども宗右衛門は一向に姿を見せません。

日が真上に立ち、人々が慌ただしく行き交います。

やがて日が西の山にかかると、通りも静かになっていきました。


外で待ち続ける左門に母が声をかけました。

「確かに約束は今日でしたが、兄を待てるのは今日だけですか?

 もう日も落ちました。家に上がって明日またお待ちなさい。」


左門は母に促され家に入りました。

そして、母が床に付き夜も更けた頃

もう一度外の様子を見てみました。


辺りは闇に覆われ、空には星が輝いているだけでした。

あきらめて戸を閉めよう手をかけました。


そのとき、暗闇に動く影に気がつきました。

目を凝らすとなんと宗右衛門ではありませんか。


左門は飛び上がって喜びました。

転ぶように宗右衛門のもとへ駆け寄り

家の中へ促しました。


「兄上、約束の日にお戻りになられ
 
 これほど嬉しいことは他にありません。

 お疲れでしょう。さあ中へお入りください。」
 


宗右衛門は黙ってうなずきます。



「母はもう休んでおりますので起こしてまいります。

 さぞ喜ぶことでしょう。」



しかし、宗右衛門は首を横に振るだけでした。



「そうですか。では明朝の母の驚く顔が目に浮かびますね。

 さあ、一杯呑んでください。疲れが取れますよ。」


ところが、宗右衛門は酒や肴に手をつけようとしません。

それどころか、避けているようにも見えます。


「兄上、この貧乏暮らしではこのおもてなしが精一杯なのです。

 粗末なものに見えるかもしれませんが、召し上がっては頂けないでしょうか?」



宗右衛門はやはりひと言もものを言いません。

そして、長い溜息を一つ吐き出すと

しばらくたって初めて口を開き、左門に語り始めました。


 

つづく。






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