大明京のお話 その3
つづき。
やがて時がたち、
国重の妻はあの時の不思議な出来事を思い出し、
国重に話してみました。
最初は「夢だ。幻だ。」と聞いてくれませんでしたが、
妻が何度も何度も真剣に話をするので、
ついには国重も
鍛冶屋の神様の金屋子神のご加護に違いないと
信じるようになりました。
いままで作ってきた刀には名前などは打っていませんでしたが、
それからは、刀に「大明京」と打ち、
神様への感謝の気持ちを込めるようにしました。
そして、「大明京」の刀は
神様のご加護を受けた刀、として評判になり
「大明京国重」の名前が広まっていくことになりました。
つづく。
やがて時がたち、
国重の妻はあの時の不思議な出来事を思い出し、
国重に話してみました。
最初は「夢だ。幻だ。」と聞いてくれませんでしたが、
妻が何度も何度も真剣に話をするので、
ついには国重も
鍛冶屋の神様の金屋子神のご加護に違いないと
信じるようになりました。
いままで作ってきた刀には名前などは打っていませんでしたが、
それからは、刀に「大明京」と打ち、
神様への感謝の気持ちを込めるようにしました。
そして、「大明京」の刀は
神様のご加護を受けた刀、として評判になり
「大明京国重」の名前が広まっていくことになりました。
つづく。
大明京のお話 その2
つづき。
国重が素晴らしい刀を作ることができたのは
ある不思議な出来事が起きたからです。
その日、国重の妻は珍しく寝坊してしまい、
夢を見ていました。
夢の中で突然金色の光に包まれました。
光の中には観音菩薩様のお姿が現れ
思わず声を上げようとしたとたん
夢から覚めてしまいました。
ありがたい夢だったと、国重の妻は
しばらく夢心地でいたのですが、
ふと、妙な事に気がつきました。
一人でいるはずの夫の国重の仕事場から、
2人で鉄を打つ音が聞こえてきたのです。
誰か手伝いがいるのか、と思い仕事場をのぞいて見ると
なんと、真っ白な着物を着た女が国重の仕事を手伝っていたのです。
しかも、その女の腰から下は煙のように霞んでいました。
驚いた妻はいちもくさんに床へ戻り、布団の中でじっとしていました。
しばらくすると、2人分の音は消え、
いつものように国重が鉄を打つ「カンカン」という音だけになりました。
朝食についた国重は、特に変わった様子もなく
そのうち、妻もこの出来事を忘れてしまいました。
その後、国重の腕前はとても上達し、評判の刀鍛冶となりました。
つづく。
国重が素晴らしい刀を作ることができたのは
ある不思議な出来事が起きたからです。
その日、国重の妻は珍しく寝坊してしまい、
夢を見ていました。
夢の中で突然金色の光に包まれました。
光の中には観音菩薩様のお姿が現れ
思わず声を上げようとしたとたん
夢から覚めてしまいました。
ありがたい夢だったと、国重の妻は
しばらく夢心地でいたのですが、
ふと、妙な事に気がつきました。
一人でいるはずの夫の国重の仕事場から、
2人で鉄を打つ音が聞こえてきたのです。
誰か手伝いがいるのか、と思い仕事場をのぞいて見ると
なんと、真っ白な着物を着た女が国重の仕事を手伝っていたのです。
しかも、その女の腰から下は煙のように霞んでいました。
驚いた妻はいちもくさんに床へ戻り、布団の中でじっとしていました。
しばらくすると、2人分の音は消え、
いつものように国重が鉄を打つ「カンカン」という音だけになりました。
朝食についた国重は、特に変わった様子もなく
そのうち、妻もこの出来事を忘れてしまいました。
その後、国重の腕前はとても上達し、評判の刀鍛冶となりました。
つづく。
大明京のお話 その1
「大明京」という人は、つまり
刀鍛冶屋。
いかん。簡潔すぎた。
推測を交え、お話しましょう。
むかしむかし、豊臣秀吉という日本一の殿様が
お隣の朝鮮という国と戦をしていました。
そして、その途中で秀吉は死んでしまい、
戦は止めることになりました。
その時、朝鮮からたくさんの職人達が
日本に連れて来られました。
一人の朝鮮の職人は、日本に来て日本刀を作ることにしました。
いくつかの地で修業をし、
鍛冶屋の神様を奉る「金屋子神社」総本山がある
出雲国で刀を作るようになりました。
ある日、出雲国の殿様は湖の近くにお城を建てようと思い立ちました。
そして、殿様の命令でたくさんの職人たちがお城を建てる為に集められました。
その中には朝鮮から来たあの職人もいました。
山奥から湖の近くに引っ越して、
お城造りに必要な釘や鉄の道具ばかり作り続けました。
朝鮮の鍛冶職人は、いつの頃からか名を「弥九郎」と決め
鍛冶屋の名前として「国重」と名乗るようになりました。
数年後、お城と城下町が完成しました。
お城が出来上がると、今度はお侍のために刀を作りました。
その刀はとても素晴らしい物だったので、
殿様は国重に褒美として
「高麗」という名字を与えました。
つづく。
刀鍛冶屋。
いかん。簡潔すぎた。
推測を交え、お話しましょう。
むかしむかし、豊臣秀吉という日本一の殿様が
お隣の朝鮮という国と戦をしていました。
そして、その途中で秀吉は死んでしまい、
戦は止めることになりました。
その時、朝鮮からたくさんの職人達が
日本に連れて来られました。
一人の朝鮮の職人は、日本に来て日本刀を作ることにしました。
いくつかの地で修業をし、
鍛冶屋の神様を奉る「金屋子神社」総本山がある
出雲国で刀を作るようになりました。
ある日、出雲国の殿様は湖の近くにお城を建てようと思い立ちました。
そして、殿様の命令でたくさんの職人たちがお城を建てる為に集められました。
その中には朝鮮から来たあの職人もいました。
山奥から湖の近くに引っ越して、
お城造りに必要な釘や鉄の道具ばかり作り続けました。
朝鮮の鍛冶職人は、いつの頃からか名を「弥九郎」と決め
鍛冶屋の名前として「国重」と名乗るようになりました。
数年後、お城と城下町が完成しました。
お城が出来上がると、今度はお侍のために刀を作りました。
その刀はとても素晴らしい物だったので、
殿様は国重に褒美として
「高麗」という名字を与えました。
つづく。